mrguppのブログ

2005年から始めたMIXIの日記をブログに移植しました。MIXIで使用した画像はうまいこと移動できなかったので後からひとつひとつ貼り付けています。ところどころMIXIならではのおかしな部分が残っていたらご容赦ください。


凄いリーゼントを見た。
まぁ東京というところは、世界中でも1、2を争う程、変わったひとを見つけるのに苦労しない街であろう。
そのリーゼントの凄さというのは「ブランド王ローヤル」の社長みたいでもなく、レニングラード・カウボーイズみたいでもない。
なんというか、浅草かっぱ橋厨房用品問屋街の片隅にひっそりと営む店舗のさらにその奥で、蝋細工で食品サンプルを作る職人が、丹念に製作したかのようなリーゼントだ。
小学生なら遠慮のない大きな声で、密度の濃いワタアメみたいだね!と言ってしまうかも知れない。

そのひとのファッションは至って歳相応のナリだ。
これと言って何も特徴がないのが特徴と言えそうな白い半袖のカッターシャツを、千鳥格子柄のグレーのスラックスのウエストにしっかり入れ込んで、DだかCだかOだかのブランドロゴのアルファベットを象ったバックルの黒い革ベルトが締め上げている。
裾上げがやや短く、両の足のくるぶし下に履いた灰色の綿ニット靴下がまる見えだ。
靴は黒革の餃子靴。
足の甲部分に逆U字型にひだひだをあしらった様が餃子に似ているので、ボクはそのテの靴をそう呼んでいる。

左手首にはセイコーのステンレススチール製腕時計。たぶん。
右手首にはこれもステンレススチール製のブレスレットだ!たぶん。
おしゃれ?
いや、あれは健康のためだろう。
腕時計とあのブレスレットを外して一緒に置いておくと翌朝には腕時計が壊れているに違いない。
襟元のVゾーンにはメリヤスシャツの延びた首の縁取りがチラ見えしている。

おそらく70歳は越しているだろうと推測する。

モミアゲ、襟足の髪は真っ白髪だが、後頭部、側頭部のあたりから砂鉄でもマブシたかのように黒気が増え、リーゼントの前頭部で黒さがピークになるように、ぎくしゃくしてはいるものの、はっきりとした意図のもとにグラデーションが構築されている。
そして何かのちからによってかたまっているようだ。

ボクが息を呑んだ瞬間があった。
リーゼントさんの隣でスーツ姿の男性が両手を広げてスポーツ新聞を読んでいた。
紙面を繰ろうと両手を一旦合わせ紙を持ち替え、そしてバサという音をたてて勢いよく両手を開いた。
その手がリーゼントなワタアメを「コン!」とやっちまったのだ。
思わずボクは咽の奥でひゅ~と音をたててしまった。

そこは大人の二人、どちらからともなく会釈を交わして、それ以上何も無かった。
しかし、ボクは見てしまった。
どんなに密度が濃かろうと、あれはワタアメなんかじゃない!
その証拠に手がぶつかったときにふわともしなかった。
あれはやっぱり一本一本食品サンプル職人が丹精込めた蝋細工なのだ!

そうそう、ウチの会社に出入りしているひとに、なぞの髪型のひとがいるのです。
前から見ると頭全部から渦を巻いたように前髪に集めてリーゼント。
だけど、後ろからみると襟足から頭頂部にかけて1対9で分けていて、「うしろ1:9分け」という新しいジャンルを開拓しているひとがいます。
ちなみに顔が山崎拓に似てます。山拓です。

ザッツ・トウキョウ・ワンダーランドだな!!




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