mrguppのブログ

2005年から始めたMIXIの日記をブログに移植しました。MIXIで使用した画像はうまいこと移動できなかったので後からひとつひとつ貼り付けています。ところどころMIXIならではのおかしな部分が残っていたらご容赦ください。


「ソ連人てさぁ・・・」
小学生の時にボクがそう言うと、みんなから笑われちゃいました。
アメリカ人がアメリカン、メキシコ人がメキシカン、じゃあソ連人はなんだ!?(笑)
一瞬、ボクは子どもながらに孤独の淵にいました。
そう、どんな孤独かというと、ある日突然、冥王星は太陽系の惑星ではないと言われたような・・・そんな冥王星の気持ちに似てる???


チューホフという戯曲作家の翻訳本を買おうと思って本屋にいって、戯曲の棚のまえで本を探している時に、ふとそんなことを思い出しました。
結局チューホフについての評論本を買いました。まだ読み始めてはいません。
チューホフと言う人は名前からしてロシア人です。

ここ一週間で、岩松了の戯曲「水の戯れ」「夏ホテル」の二冊と、宮沢章夫の「チューホフの戦争」を読み、岩松了が批評家から「日本のチューホフ」と評されていたことを知り、オリジナルのチューホフに触れてみたいと思ったのです。

岩松了って時効警察の熊本課長の役のひとです。

彼の戯曲に通じているのは、日々の暮らしのなかで、どうでもいい瞬間にこそ、ひとの暮らしの本質が隠れているということ。重要な瞬間というのはひとはそれなりにちゃんと対応できるが、どうでもいい時ほどその人が表われると。
何気なく、人の問い掛けに「え?」と聞き返す、その瞬間。誰もが同じではない。それを瞬時に相手も受け止めて次の話を始める。
奥の深い人間観察、とても面白いなぁと思う。


今日、有楽町の地下鉄の駅の自動改札の前で、小学校3年生くらいの褐色に灼けたスポーツ刈りの男の子がひとりきりで、布製の肩掛カバンをくしゃくしゃにして床に置き、膝を曲げないきれいな前屈の姿勢でカバンのなかを必死にまさぐっていました。
サッカーか野球かスポーツをしているような逞しくも柔らかな筋肉のついたそのふくらはぎがとても美しく、ボクは彼に見入ってしまいました。正しい男の子だなと。

きっとカバンのなかでは切符を探していたのでしょう。ボクも、子どもの頃電車に乗る事はたまのことで、そんなときはいつも切符をどこかになくしてしまう子だったので、そんな彼にとてもシンパシーを感じていました。

夏休みだからね。
これからきみはどこへ行くの?
頑張れよ。
そんなちっちゃなことでくじけるなよ。

そんなことを思っていたら、彼はひまわりのように明るい表情で床のカバンを肩にかけ、歩き出しました。
切符か何か、きっと探していたものが見つかったんですね。




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