mrguppのブログ

2005年から始めたMIXIの日記をブログに移植しました。MIXIで使用した画像はうまいこと移動できなかったので後からひとつひとつ貼り付けています。ところどころMIXIならではのおかしな部分が残っていたらご容赦ください。


専門学校で年に一度だけ、自分のしている仕事を解説する授業を受け持たされています。90分間教壇に立って、パワーポイントとプロジェクターを使って話し続けます。
「あと10分、ここで終わらせて質疑応答にしちゃうと、何も質問がなかったときには時間が余っちゃう。5分もたせるネタは?ああ、そうだった面白業界用語一覧表をくばってあったっけ」
などと口は話しながらも頭のなかではそんな段取りを考えています。終わったとたんにヘロヘロと全身から力が抜けていきます。

それが今日でした。もう5回目になるというのに、何度やっても慣れないものです。

お昼を食べた直後の1時30分からのひとコマなので、ちょうど学生たちが眠たくなる時間です。もちろんボクもあちら側に座っていた経験があるので、食後のあの睡魔のことはよくわかります。実際に寝てしまったことも何度となくありました。
だけど勝手なもので教壇側に立っていると、頼む~!眠らないでくれ~!と念じながら話してます。

毎度、人前で話すプロのすごさというものを思い知らされます。こうやってひとコマだけ授業をやるというのは、ちょっと落語に似ているなと思いました。まず興味を惹きつけておいて本題に入り、ところどころ中だるみしないように工夫を凝らし、見せ場をつくって最後にはきれいにまとめて、おあとがよろしいことにしたい。


『しゃべれども、しゃべれども』(新潮文庫)という小説を先日読み終えました。国分太一くんが演ずる落語家さんが主役の、近々封切られる映画の原作です。しゃべることが苦手でそれがために実生活で困っている登場人物たちがひょんなきっかけで集まり、落語を通してそれぞれの苦手、悩みを理解していく話なんです。解決はしないところがミソです。

ストーリーの魅力もさることながら、著者の筆力に舌を巻きます。登場人物のこころの動きや感情の流れなどの表現がとても上手。ボクのあたまのなかで人物がいきいきと動き、話し出します。小説の世界に引き込まれて感情移入して、登場人物のだれかが思ったとおりにいってよろこんでいると、読んでいるボクまでうれしくなって目がうるうるしちゃいます。

とても面白い本でした。上手にしゃべるには自信を持たないと。ではその自信とはいったい何なの?そんなことを考えさせられます。あまりの面白さに、通勤時間や仕事の電車移動の最中など、二日で読んでしまいました。興味を持たれたかたはどうぞ。気持ちが「ほこっ」とします。


日本語のもつ魅力に興味をもって『ひらがなでよめばわかる 日本語のふしぎ』(小学館)を買って読み始めたところです。これも面白いですよ。やまとことばといわれる古代日本人が大陸から漢字が輸入される前までつかっていたかなことばを知ると、古代のひとびとがさまざまな事象をどのようにとらえていたのかがとてもよくわかります。その由来が現在われわれの使っていることばにも残っているんです。

たとえば、頭部にある器官には植物に通じるオンの名前がついているというのです。
「メ」外の世界を一番に知る部分のこと。人間の目は知覚のなかでも一番前にある器官で、植物の芽は季節を最初に感じる部分ということです。
「ミ」ひと通りの経緯の結果を知る部分のこと。人間には両側にふたつあるので耳となり、最初に目で捉えた情報は最後には耳に音や言葉として入ってきて情報処理は完了されるということ。植物は季節がめぐって1サイクルの最後に結果として実を成らせる。

実物としてはまったく別のものなのに、その本質的なところを見極めて同じことばを与えていたんですね。とても奥が深いです。そのことばは、どうしてできたことばなのか。いつもそういうことを考えていると、すこしはしゃべりも上手になったりするのでしょうかね。すこしは話をうまく伝えられるようになりますかね。できれば、そうなりたいものです。


まったく関係ないのですがこれもことばの話。
近頃の小学校では男子を「君」付けで呼ばないことにしていると知りました。それは男女を分ける表現だとして「さん」付け呼称に統一しているそうだ。
なんじゃそりゃ!
「忍者はっとりさん」だと、ちょっと変。




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