mrguppのブログ

2005年から始めたMIXIの日記をブログに移植しました。MIXIで使用した画像はうまいこと移動できなかったので後からひとつひとつ貼り付けています。ところどころMIXIならではのおかしな部分が残っていたらご容赦ください。


ようやく仕事も軌道に乗ってきました。今日少し不安があった取引先との打ち合わせが無事に終わってホッとしながら、家路を急ぐひとが多い電車に乗って都内に帰ってきた。
落ち着いた気分での会社への帰り道、車窓の景色はすっかり暗くなってしまってキラキラとまばゆく輝くビルの明かりを眺めていた。電車はしばらく走って都内にはいると地下に潜っていった。

ある駅での出来事。小さな男の子が車内で急に泣きじゃくり始めた。声のするほうを見るとおばあちゃん(らしき女性)と男の子。電車が駅についてドアが開くと二人はホームに降りたがドアの前から動かない。泣きながら車内にもどろうとする男の子をおばあちゃんがギュッと抱き締めてホームに留めている。ドアが閉まる。ドアの内側には閉まったドアの窓ガラスに両手のひらの指を広げて貼り付いたひとりの女性が立っている。よく見ると目を真っ赤にさせて涙ぐんでいる。窓ガラス越しの男の子に手を振っている。
その光景を見ていたボクの頭のなかでは勝手に憶測が巡り始めた。

男の子と女性はきっと親子だ。何かワケあって離れ離れに暮らしている。今日は事情があっておばあちゃんに連れられて男の子はお母さんと会っていた。時間は経って夕方になり、今この駅で降りなきゃいけない男の子と、まだ先まで電車に乗って行くお母さん。駅に着く前におばあちゃんが「次の駅で降りるからね」と言うと男の子は「ママもでしょ?ママも降りるよね」「ママはね、もうちょっと電車に乗って行かなきゃいけないの」それを聞いた男の子は泣き始めた。
電車のドアが閉まり動き出すことでこの母子が再び離れ離れになってしまった瞬間だったのではないだろうか。。。

憶測から現実に戻る。
動き始めた電車に向かって大声で「いやだぁ」と泣き叫ぶ男の子の声がボクの耳を通り越して肋骨の奥のほうに届いた。息が詰まる気がした。そんなボクにも想像できないほど、きっとつらい想いでその声を聞いていたであろう女性は一気に表情を崩して俯いた。周囲の視線が彼女に集まる。電車がホームを離れてトンネルに入ると窓の外は真っ暗になり、ガラスには彼女の姿が映っていた。

さっきまでホッとして落ち着いた気分でいたのが、自分の勝手な憶測ですっかり沈んだ気分になって会社に帰り着いた。




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