「異種格闘技戦」とは猪木がモハメド・アリと闘うために考え出されたもので、猪木の「プロレス市民権政策」に端を発したものだという。
その本質は「異なる種類の格闘技の選手が戦う」ことであり統一ルールは持たない。
最近、ボクの仕事も似たような様相を呈し始めている。
社内から見れば単なる何でも屋のようだが、対外的には会社の看板を背負っているわけです。
だから安易に「知らない」「わからない」とは言えないの。
本来、日常的に仕事をする相手というのは、いわゆる「この業界」という境界線のなかに限られていて、そこから踏み出て行くことは稀なこと。つまりいつもは同じルールで規格統一された仕様のリングに上がっている。
ところが最近は、ルールも違う、仕様も異なる場に上がらされることが増えた。
たとえば、マワシを付けているのに相手は仰向けに寝そべって足を蹴ってくる。一旦土俵やリングに上がってしまえばさすがに逃げ出すことはできない。
そんなわけでまったく畑の違う分野の仕事に関わり、トラブルを抱えてしまった。ファッションビルへの出店に関わる条件交渉。準備だけはどんどん進められていて、今から決裂すれば両者に対して相当の損害が生じさせてしまうのです。
このやりなれない案件の、揉めに揉めて行き詰まってしまった条件調整を、何としてもやり遂げなければならないのです。
そんなもの、そもそもなぜその道の専門に頼まなかったのかというと、一方の責任者から「いいよ、そこはGUPPさんに任せますよ」そう言われて引き受けたというか、押し付けられちゃったわけです。
過去のボクの「異種格闘技戦」では、相手のルールが分からないなりに調べて、認識・基準の違いで破綻が出ないようになんとかやり繰りしてきた。
その繰り返しのなかでずいぶん(浅いけど)広い範囲の知識を得たし、未知の困難の先に目標を見据えるような視線の置き方などを憶えてきた。
しかし、そうそういつもうまくはいかないみたいだ。
♪あれから~ぼくたちは~
などと歌っている場合ではないのだ。
こういう時に誤魔化したり嘘をついたりすると、エライことになることは経験を以って知っている。
誤魔化しや嘘をどんどん上塗りしていかなければならなくなる。
ここは一丁、正直に誠実に正面からどかーんとぶつかるしかないのです。
後ろを振り向いてもだ~れもいないんです。
逃げてしまうよりちゃんとぶつかって敗れたほうが、後で飲む酒はいくらか旨いってぇなものです。
どうする?どうする??どうする~???な状態ですが
オダギリジョーのように選べるカードは三枚もなく
「逃げる」「ぶつかる」の二枚だけ。
で、ぶつかってきましたよ。ど~んとまっつぐに。ど~んとね。
誤魔化さず、嘘もつかず、自分の未熟を認め、己が軽はずみを戒め、
サウイフモノニ/私ハナリタイ
そこで、お沙汰です。
案ずるより産むが易し。開けゴマ!
「そうまでなっているのなら、わかったよ。そちらの条件に合わせましょう」
絶対に譲る姿勢を見せなかった方が折れてくれた。
百数十万円相当になるであろう条件の緩和に応じてくれた。
ひたいを机に擦り付けるようにして礼を述べ、
33度の気温のなか、汗を拭き拭き帰ってきました。
険しい峰の向こうに急展開でつるっと転げ出ました。
パ~ッと晴れた空が広がりました。
ボクの前に道はない
ボクの後ろに道が出来る
今日の東京の天気は午前中快晴。
午後は俄に掻曇り、暗雲立ちこめ大粒の雨の土砂降り。
しかしその後また急に雨はやんだ。
今は再び強い陽射しの良い天気。
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