mrguppのブログ

2005年から始めたMIXIの日記をブログに移植しました。MIXIで使用した画像はうまいこと移動できなかったので後からひとつひとつ貼り付けています。ところどころMIXIならではのおかしな部分が残っていたらご容赦ください。


スリッパのようなものが壁に貼りついている。それは下に向かって口を開けていて、ちょうどマックフライポテトの紙ケースを伏せたような形状だ。和便器のような。。。それが機械の壁に貼りついている。スリッパよりはすこし深さがあって爪先から足首くらいまですっぽりと差し込めるようになっている。

気付くとボクの上体は壁から手前側に仰向けに寝そべるようにしていて、自分の素足をそこに入れていた。足を入れるとU字型の何かがカカトを持ち上げるようにして動き出す。爪先が奥に当たるところまで持ち上げられて自動的に止まる。そして足の裏と甲から挟むように、次に親指側、小指側両方からだんだんと中がせばまってきて、柔らかいけどしっかりとしたホールド感で両足とも指が一本も動かないように固定されてしまった。

「すみませ~ん!なんですか~?これ??」
その機械だけが照らされた暗く誰もいない部屋で思わず声を上げると、どこからともなく低くて品のあるオトコの声で
「自動足爪切りです」
(岡田真澄の声だ、とボクは咄嗟に思った)
声がしたのはそれっきりだった。

そんなもの聞いたことがない。
爪切りは上手にできればいいけれど、下手に肉まで一緒に切ったりすると絶叫を上げてしまうほどの激痛を味わう。それが怖くて加減し過ぎるときれいな形に爪を切れない。そんな危うさと隣り合わせの作業だ。とくに足の爪は切るのに失敗して変な形に爪が残ると気持ち悪いし、いろいろやっかいだ。
この機械がほんとうにきれいに足の爪を切ってくれるのなら、かなりすごいぞ。

スイッチを入れてもいないのに機械が稼動し始めたようで、モーター音がして足の指先を順番になぞっていくような感触がある。スリッパのような形状の中から漏れるように光の点滅がわかる。足や指、爪の形をトレースして、どれくらい伸びていてどれだけ切ればいいのかをセンサーがスキャンしているのではないか。何も知らずにすっかり足を固定されて逃げ場のないボクは、機械の気配を観察しながらそう考えた。

それにしても変だ。昨日寝る前に「足の爪切らなきゃな~」とは確かに思ったけど、いま足を固定している機械には見覚えも聞き覚えもなかった。どうしてこんなところで自分の足をこんな機械に突っ込んでいるのかについてまるで心当たりがない。いったいどうやってボクをここへ連れてきたのだ。

機械が新しい気配に移った。ヒュイーンヒュイーンと歯医者が歯を削るときのような高周波音を断続的にたて始めた。イヤな音だ。パッチンパッチンと爪を挟んで切るような爪切り原理ではなく、何だか推測できないえも言えぬ仕組みで爪を切るのか知らん。正直に言えばとてもコワイ。肉を一緒に切ってしまったときのあの激痛の記憶がいやでも蘇る。

爪先に冷たい感触が走る。ひんやりする。水かアルコールかそんなものがかけられたような感覚だ。消毒?次に温風が吹き出されてきて足先が乾いていくのがわかる。足の爪を切るだけなのに、ずいぶんと手が込んでいる。

さっきまでのヒュイーンヒュイーンという音がキィーンキィーンとさらに甲高い音になり、離陸する直前のジェットエンジンのような音になってきた。これからボクの足はどうなるのだろう????
ぎゅっと奥歯を噛み締めて全身に力が入った。

と思っているうちに気に触るその音はスーッと静かになり、やがてすっかり止まってしまった。さっきまでボクの足をがっちり固定していたホールド感も空気が抜けるようにゆるんでいき、足を機械から抜くことができるようになった。恐る恐る両方の足を引き抜く。足の指に顔を近づけて爪を凝視する。驚いたことに全部の足指の爪がきれいに切り揃えられているではないか!



「『自動足爪切り』、、、」


恐るべし


今朝の夢

ほんとうにできたらとても便利だけど、かなりデカイ。家には置けそうにない。パッチンパッチンと足の爪を普通の爪切りで切ってから今日は出掛けてきました。




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